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三浦怪談

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三浦半島の伝承を元に、土地の特色に影響を受けた怪談・小説を創作している作家「杉背よい」の短編集。浦賀、小松が池、雨崎など実在の土地に伝わる伝承が小説のアイデアとなっています。

表紙のイラストは先日開催された三崎開港祭で、開催期間中に三崎の海南神社で龍の絵をライブペインティングで描いた香川県の妖怪絵師・柳生忠平氏によるものです。三崎で杉背と対談し、意気投合したことにより「占う魚」という短編でモチーフとなっている鳳そう魚という怪魚を描いてくれました。

アプリには小説の元になった伝承を紹介する「怪奇伝承地図」も搭載しています。GPSをONにして三浦半島の怪奇伝承ポイントに近づくと、ローカル通知によりお知らせいたします。

【目次】

短編1 占う魚 —浦賀ー
江戸時代、浦賀の浜辺で発見されたといわれる怪魚「鳳そう魚」の伝承をベースにした短編。鳳そう魚は外観はエビのようであったが、頭部はショウジョウ、顔は馬またはネコに似ており、ヒレは四肢のようであったと言われている。また両の目玉は鐘のように光り、腹は金色に輝いていたという。言い伝えでは「見世物小屋に売られた」「村人に殺された」などと言われている。
小説「占う魚」では絵描きの男が主人公。「鳳そう魚」によって現実と幻想の境界が曖昧になり翻弄される男の様が描かれている。

短編2 泥の中 —南下浦小松が池—
京急三崎口駅と三崎海岸駅の間にある「小松が池」には哀しい伝説が語り継がれている。昔、お松という働き者の嫁が一人田植えに励んでいた。しかし、意地の悪い姑に1人ではとても無理なほどの田植えを言いつけられる。田植えが終わらず日が暮れようとしている時にお松が願うと時間が伸び、田植えを終えることができた。だが、それと同時にお松は深い泥沼に飲み込まれてしまう。
小説「泥の中」では意地の悪いと伝えられる姑の一人称で語られ、伝承とは異なる視点を生み出している。

短編3 雨崎 —南下浦町雨崎—
三浦市の太平洋側にある「雨崎」は地名の通り、雨が多いことと大蛇の伝説で知られている。その昔、雨崎と房州の間を行き来する大蛇がいて、五月雨の頃に雨崎に行くと熱病に罹る。また大蛇を妨げると命を失うと言われていた。今も存在する雨崎神社があり浅間様(大蛇)を祀っている。
小説「雨崎」では舞台が現代となっており、女と男の一時の出会いが語られる。

短編4 しきぼとけ —城ヶ島— 
しきぼとけとは舟の幽霊であり、お盆の時期に出ると言われている。三浦半島にもお盆の風習はまだ根強く残っており、三浦の土地に生まれ育った作者・杉背よいも「お盆の間は海に入ってはいけない」と言われて育ったという。小説では、城ヶ島に釣りに来た男の一夜の出来事が描かれる。

短編5 猫石 —初声町下宮田—
三浦市初声町下宮田の農道の脇には猫石と呼ばれる大きな石がある。その昔、田んぼの箱がネズミに荒らされたことがあったが、猫石が現れてからは、その被害がなくなった。また、石を砕き、お守り袋に入れ、子供に持たせると百日ぜきや病気にかからないなどと伝えられている。小説では飼い猫を失った主人公の心情が描かれており、不思議な余韻を残す。

短編6 西瓜畑 —初声町和田—
三浦半島の内陸を舞台にしたリアルな短編。ロードサイドのスナック、夜道の農道、昔からの屋号で呼びあう男たち。ふとした瞬間に曖昧になるこの世とあの世の境が作家・杉背が幼い頃から見て来た光景をベースに描かれる。

短編7 海彦 —南下浦町江奈 
古事記にも登場する「海彦と山彦」の伝説は「浦島太郎」の元になったとも言われているが、この小説の「海彦」は海か来た"何か"として描かれる。三浦半島の海岸沿いにはまだひっそりたたずむ小さな集落が点在する。その様は昔から伝承で描かれる村の光景と変わらない。

【杉背よいプロフィール】
1975年生まれ。幼少より現在までずっと三浦市在住。2009年より「よ いこぐま」名義で怪談を書き始める。三浦半島の伝承に興味を持ち、土地 の特色に影響を受けた怪談・小説を創作している。 共著に「てのひら怪談壬辰」(ポプラ社)、「みちのく怪談コンテスト傑作選 2010」(荒蝦夷)。

【柳生忠平プロフィール】 
小豆島にて妖怪や目に見えないモノを描く妖怪製造装置の技師、もしくは絵描鬼。建具や廃材などにも妖怪を描く。小豆島に生まれ育ち、2005年に絵描鬼宣言を行う。その後は個展を小豆島、京都、大阪、東京で開催している。http://yagyu-chubei.com

※ 長時間バックグラウンドでGPSを動作させ続けると、バッテリーを通常より多く消費する可能性があります。
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Continued use of GPS running in the background can dramatically decrease battery life.